富士山の自然との闘い

自然との闘い

1.雨が強くなった時

山の天気は変わりやすいため、急に強い雨が降る可能性があります。雨は、寒さで体力を奪い、視界も狭くなるため、滑落や遭難の危険もあります。雨が降ってきたら基本的には、近くの山小屋に避難しましょう。ただし、近くに山小屋がない場合や、山小屋が満杯の可能性もありますので、雨具は必須と言えます。必ず、準備をしましょう。
※悪天候時に、必ず山小屋が避難のために室内へ入れてくれるとは言い切れません。混雑時、宿泊者だけで満杯の場合などは入れてくれないことがあります。
※混雑時でなくても、基本的には宿泊者優先で、休憩を断れることがあります。

2.落雷が発生しているとき
8月になると富士山では雷が発生しやすくなります。特に午後から夕方にかけて多く発生します。雷鳴が聞こえ出したら、本7合目以降では、早めに山小屋へ避難します。たとえ、山頂がもう少しでも引き返す勇気が必要です。
※雷の場合、樹木のそばは危険です。
樹木の高さが高くなるほど落雷の危険度が増します。木に落ちた雷は幹や枝を伝り、もしその下に人がいた場合、人間のほうが木よりも電気を通しやすいので雷が伝わってきます。木の幹から3m以上離れ、木の天辺を仰ぐ角度(仰角)が45度の地点との間に身をかがめることが大切です。心臓を体で包み込むようにし、心臓の周りには、電流が流れないようにすることが大切です。

2-1 まず被雷しやすい場所から遠ざける。
救助者の感電を防ぎ、さらに感電による呼吸停止や心停止の危険性、やけどの広がりなどを防ぐために、直ちに被雷しやすい場所から遠ざけます。

2-2 意識を確認し、なければ呼吸や脈拍を確認する。
落雷の被害にあった人を見たときに、意識が有れば呼吸と脈拍はだいじょうぶです。意識がないときは直ちに呼吸を見て息が止まっていたら人工呼吸を行います。

富士山では自然を楽しむことができますが、一方で、自然との闘いになることもあります。しっかり、準備して登りましょう。